川端です。私のラボでは、2008年1月よりオリンパス社の歯科用デジタル測色器「クリスタルアイ」(ペントロン ジャパン社)を導入し、臨床技工、研究、教育用として有効に活用しています。クリスタルアイの詳細につきましては、ペントロン ジャパンのホームページをご覧いただくこととして、ここでは導入の目的と、有効的な活用法についてお話したいと思います。
現在私のラボワークにおいて、お得意様である歯科医院からの要請でシェードテイクに出向くことがしばしばあります。目的はもちろんシェードを見ることと、その情報をカメラで記録すること、そして患者さんとのコミュニケーションを図りながら、最善を尽くしますというパフォーマンス的な部分も少なからず含まれると考えています。
以前のシェードテイクではD60(Canon)を使用して歯牙、歯列、顔貌を各10枚程度撮影し、加えて直視による詳細なスケッチを行った後、シェードガイドを示しながら患者さん、歯科医師、時には歯科衛生士の4名で患者さんの希望を伺いながら再現する色調を決定するという作業を行っており、必然的にシェードテイクに要する時間も、ラボに戻ってからの色調分析含めて1日の作業時間の多くを費やしていました。そこで、もっと効率的かつ正確にシェードテイクを行いたい、そしてシェード情報を長期的に管理し、日頃の臨床だけでなく、生涯の研究や教育用として生かしてゆきたいと考え、新兵器「クリスタルアイ」の導入に至った訳です。
そもそも、私がクリスタルアイを選択した最も大きな理由は、シェードテイキングを外光に影響を受けず、正確に行えることは当然のこと、単なる測色器ではなく、デジタルカメラ感覚で患者さんの歯牙、歯列、顔貌画像も記録することができる点、そして測色結果は、予め解析ソフトに記録された5社のシェードガイドから一番マッチするシェードをコンピューターが客観的に選択・表示してくれるという点です。クリスタルアイを導入して以来、デジタルカメラをクリスタルアイとノートPCに変え、従来色調決定には必須アイテムであった数社のシェードおよびエフェクトガイドを使わなくとも簡単かつ正確にシェードテイクを完了させることができるので、私のシェードテイクスタイルは、従来に比べてとてもスマートになりました。
私の新しいシェードテイクツール(クリスタルアイ+ノートPC)
従来の必須アイテム(各社シェードガイド&エフェクトガイド)
また、時には患者さんにPC上で解析された画面をご覧いただきながら解説することで、患者さんにもより解りやすく。、そして信頼を得るというパフォーマンスにも大きく役立っています。以前は患者さんを前に行っていたスケッチによる色調解析もラボに戻って時間の空いた時に解析ソフトの様々な機能を使って容易に色調解析しながら築盛レシピを記入でき、チェアサイドにおけるシェードテイキングの時間短縮、ラボ内における作業効率化を実現することができたと感じています。もちろんシェードテイク料のチャージを今までどおり頂いていますが・・・・・(笑)
クリスタルアイを導入するにあたり、パンフレットや様々な文献を読んだり、いろいろ思いをめぐらせていたのですが、実際に使用してみて初めてその性能の高さと、機能の順次つぶりに大変満足しています。できることならば、お得意先の先生方にもクリスタルアイをご購入いただき、測色データをメールで送って頂ければ更に効率的に仕事をすることができると考えつつ(値段的には結構高価なので、気軽に一台とは言えませんが)、近い将来「1歯科医院にクリスタルアイ1台」という必須ツールになることを期待しています。
先にも触れましたとおり、臨床利用と平行して行っているのが研究用としての活用です。現在OPC 3Gシステムのカスタムシェードを製作し、ラボ専用の撮影用ボックス「チェックボックス」で各クラウンの色調を判定するというものです。今後はこのデータを蓄積し、シェードテイク(測色)結果から築盛レシピを自動的に決定できるようなレシピブックを開発したいと考えています。クリスタルアイの解析用アプリケーションソフトも近々バージョンアップが予定され、既存5種類のシェードガイドに使用者が個々に測色した画像をシェードガイドとして登録できるカスタムシェード登録機能が追加されるそうなので、私のレシピブックも本年度中には完成させる予定です。
チェックボックスで製作したクラウンのシェード情報を記録
最後に教育への応用ですが、審美修復の初心者にとって、明度、彩度、色相という3つの属性を歯牙を通して理解する際に、これほど解りやすくて興味深いツールは無いと感じています。また、ベテランの方においても、自分のスキルアップにはとても効果的であると思います。自分もそうですが、人に指摘されると傷つきますが、機械に指摘されても反論のしようがないですから・・・(笑)。今後は、当ラボが主催する各セラミックセミナープログラムにも取り入れ、皆さんと一緒に「色」について考えてゆきたいと思います。
クリスタルアイによるシェードテイクに少しでも感心がある方は、是非一度触れてみてください。きっと新しい可能性が発見できると思います。
コメントする