こんにちは!ラジカルスペースの川端利明です。
私のラボでは、ラミネートベニアやインレーなどの症例をOPCシステムのステイン法で製作することがほとんどです。
ステイニングにはOPC 3Gシステムの「アーティステイン」を使用していますが、レイヤリング法により製作したものとは仕上げの段階でいくつか相違点がありますので、ここにご紹介いたします。
まず、使用するステインパウダーですが、それぞれの色調のパウダーに体積比で約30%程度のグレージングパウダーを混ぜます。これは色を薄め各色調をなじみやすくさせることを目的としています。
焼成はOPCシステムのマニュアル(ステイン法)に沿って、乾燥5分、焼成開始温度650℃、昇温速度38℃/分、真空値725mmHg、真空解除温度870℃、焼成温度927℃(係留時間なし)で行います。
ステイニング操作は3回に分けて着色していきます。
〔1回目〕
艶を出すために濃い目のグレージングパウダーを全体(マージン部は避ける)に塗布し、焼成します。
〔2回目〕
目的の色調に合わせたクロマでグラデーションを与えます。切端部、隣接部の透明を強調する部分には、グレー、ブルーを切端部からグラデーション状に塗布し、各シェードにマッチさせます。
〔3回目〕
最後に不透明なクリーミーエナメル部分、咬合面小窩裂溝、隣接着色部などのキャラクタライズを行います。
通常の場合、この3回で色調の再現は完成しますが、症例によってはこの上からもう一層ステイニングします。
ステイニングが終了したら、ラスターの調整を行います。マニー(モリタ)のシリコンポイントPタイプ(ブルー)とセラマスター(松風)、セラムダイヤ(モリタ)を用い、完全に焼結されたステイン表面の艶を調整することで、天然歯に見られるような質感を再現することができます。
いつもお世話になっています。
インレーを作ることがたまにあるのですが、A2のシェードでナチュラルをプレスしてステイニングすると綺麗なのですが、内面の白さが気になります。内面にステインするわけにもいかず、仕方の無いことなのでしょうか?それともI-30を使った方が良いでしょうか?
文章での説明は難しいとは思いますがよろしくお願いします
田口さん、ご質問有難うございました。確かに難しい問題だと思います。
OPCシステムのステイン法における私のペレット選択基準についてお話させていただきます。
選ぶペレットはO.U.の違いから、エナメルペレットのE-11、ニュートラル、そして特別にクロマの高いイエローの3種類です。
E-11とニュートラルの使い分けはO.U.の違い、逆に言うと透明度の高い歯牙にはニュートラル、透明度の低い歯牙(若年層の低石灰化歯牙)などにはE-11を使用します。
老年代などの石灰化が進み、全体的に透明感が増し、彩度が高くなった歯牙の咬合面などにはイエローが適しています。
ご質問のようにニュートラルの色調は、シェードガイドにおけるB1の切端色とほぼ同等の明度を有しています(先日私のラボもデジタル測色器クリスタルアイを導入し実際に計測した結果です)。
私の見解としては、頬側面の色調がA2の臼歯部咬合面の色調は、中心溝の部分がクロマで比較するとA3?A3.5、咬合面内斜面中央部でA2、咬頭部でA1程度であると考えています(こちらも只今クリスタルアイを使用して計測・研究中)。そのゆえ、ステイン法で綺麗に再現することができるのです。その際の内面の色調ですが、インレー自体に厚みがある場合(約1mm以上)には、白く感られます。しかし実際にこの部分の白色を呈していても、セット後の色調に問題を生じることはないと考えますが、どうしても気になるようであれば、スペーサーを塗布していないマージン部を避けて、適合状態に注意すればステインをかけることも可能だと思います(透過度の点からインレー内面の色調は咬合面側の色調に影響を及ぼすことはないと考えます)。なお、内面にステイニングした場合、最終的に内面にアルミナサンドブラスト処理することを忘れないでください。
また、万一内面の白さが咬合面側に影響を及ぼすのであれば、セット時にブラウン系のレジンセメントを使用してみてはいかがでしょうか。インサイザルペレット(I-30)ではO.U.が低すぎ、暗く沈んでしまうと思いますのでお勧めできませんが、色調を変更しない薄いラミネートベニヤには良さそうな気がします。近々OPCインレーの色調選択の方法についてブログをアップしたいと思います。
お返事ありがとうございます。
【4】name: HARA date:2008年8月 7日 10:03OPCの色調選択の方法楽しみにしておきます。
こんにちは。 HARAと申します。OPCインレーのステイン法についてお聞きしたいのですが、川端さんはOPC 3Gシステムの「アーティステイン」を使用されてるようですが、通常の「カラーマッチステイン」を使用されない理由とアーチステインの焼成温度を927℃で行われている理由(マニュアルでは732℃焼成温度)を教えていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
川端です。HARAさん、ご質問有難うございます。
まず、「アーティステインLFS」と「OPCカラーマッチステイン」の件ですが、もともと「OPCカラーマッチステイン」は、OPCシステムのステイン法用として設計されているもので、本来そちらを使用するのが正当な方法であると思います。
私がOPCのステイン法を導入した時期には、「アーティステインLFS」がOPCシステム、OPC 3Gシステム、シンスパー(現在国内では販売されていません)、のいずれにも使用可能で、焼成温度も732-938℃と広いレンジで焼成が可能なマルチパーパスなステインとして存在していました。「OPCカラーマッチステイン」は、システマチックにVitaシェードを再現できるように設計されていますが、やはり幅広く使用できる材料に魅力を感じ、私のラボでは「アーティステインLFS」を使用しています。技術的、経済的な点からも使用する材料はできるかぎりシンプルにしたいというのが私の基本的な考え方です。もちろん理工学的な観点からも考察した上ですが・・・。
927℃で焼成している理由ですが、ステインも可能な限り高い温度で焼結した方が、より安定すると思い、732-938℃の範囲でできる限り高い温度ということで927℃に設定しています。なお927℃は「OPCカラーマッチステイン」を使用する際の焼成温度を参考にしています(プレス体に影響を及ぼさないと考えられる範囲での最も高い焼成温度です)。
最後に私が行っている方法の全ては、メーカーサイドが提示している使用方法の版以内での応用にとどまっていることを付け加えておきます。
早速のご返答ありがとうございました。 今後の参考にさせていただきます。
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